電気代・電気料金2016/07/12

オール電化の電気代は高いの?オール電化の仕組みと電気代を安くするコツ

オール電化の電気代が気になる方は多いはず。これまでガスでまかなっていたものが電気に変わる分、当然電気代が高くなるのはわかっていても、どのくらい上がるのかはなかなか判断しづらいものです。そこで「オール電化の電気代をもっと安くしたい」「導入の前に節約の方法を知りたい」という方のために、オール電化の電気代の仕組みと節電方法などをまとめました。 もちろん、世帯の人数や電気の使い方によって一概にどちらがお得とは断言はできません。しかし、ガスから電気に変わる設備や、オール電化の仕組み、メリット・デメリットを知ることで、判断の基準にすることはできるでしょう。 現在オール電化の住宅に住んでいる人をはじめ、引っ越し先としてオール電化物件を検討している、または家を建てる際にオール電化を勧められた、これからオール電化に切り替えを予定している人なども、「オール電化にしたら電気代が高くなった!」となることを防ぐために、ひとつひとつ、オール電化について知っていきましょう。

オール電化になると何が変わる?

オール電化で変わるのは、主に調理・給湯・暖房の3つ

まず、オール電化住宅に設置される代表的な設備をご紹介します。ガスから変わる設備は調理のIHクッキングヒーター、給湯のエコキュート、暖房の床暖房・蓄熱暖房機などです。
IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターのIHとは、インダクションヒーティング(電磁誘導加熱)のことで、電気を流すと、機器の中のコイルが調理器具だけに熱を伝える仕組みになっています。つまりIHクッキングヒーターそのものが熱くなるのではなく、調理器具を直接温めるのが特徴です。温度は一般的な調理法なら問題なく使用でき、温度調整も可能です。 メリットとしては、火が出たり周囲が熱くなったりしないため、やけどの心配が少ないことです。また、平らな器具ですので拭き掃除も簡単です。デメリットとしては、フランベなど特殊な調理法が不可能なことと、調理器具がIH対応のものに限られてしまう点です。
エコキュート
エコキュートとは、空気中の熱をヒートポンプで取り込み、圧縮し高温化して水に伝えることでお湯をつくる機器です。季節に関係なく空気中に存在する熱を、電気の力でお湯に変えます。 給湯はオール電化の料金が安くなる深夜に行い、作られたお湯は給湯タンクに貯められます。ライフスタイルに合わせて設定を変えることで無駄なく運転させられる点がメリットです。一方、ヒートポンプや給湯設備を設置するスペースが必要なことや、機器の稼働による騒音などのデメリットもあります。
床暖房・蓄熱暖房機
暖房についてはエアコンのみという家庭もあるかもしれませんので、一概にはいえませんが、オール電化ならではの暖房器具には床暖房と蓄熱暖房機などが挙げられます。 床暖房は、エコキュートと同じくヒートポンプで空気中の熱を利用して床を暖めます。エコキュートと併用できるヒートポンプ機器もあれば、床暖房専用のヒートポンプを追加購入する必要がある場合もありますので、導入前に確認が必要です。暖房機器としては送風がないので乾燥が気にならないこと、火を使わないので安全な点がメリットです。 蓄熱暖房機は、深夜に発熱した熱を機器内の蓄熱体に保温し、使用時にその熱を放出して部屋を暖める機器です。ガスヒーターと違い灯油の補給やニオイがない点がメリットです。反対に、機器自体が重く場所を設置場所を固定される、設定が複雑などのデメリットもあります。

オール電化の電気料金の仕組みとメリット・デメリット

オール電化の導入を検討するにあたって、現在オール電化住宅に住んでいる人も、その料金の仕組みは気になるところでしょう。もちろん電気にもガスにもメリット・デメリットはあります。 たとえばクッキングヒーターやエコキュートは消費電力が大きく、冷暖房もエアコンの使用が中心となるため、契約時にアンペア数を変えたり、深夜にまとめてお湯を沸かせるようにオール電化向けの電気料金プランに切り替えたりする必要があります。 これから導入する人は「どういう料金設定になっているのか、切り替えにいくらかかるのか」を、すでに導入している人は「なぜこの電気代になるのか」を、料金の仕組みから紐解いてみましょう。 料金以外のオール電化の特長をご覧になりたい方は、以下の記事もおすすめです。 災害時に復旧が早いのは電気!オール電化の意外なメリット

基本的なオール電化の電気代の仕組み

オール電化の料金は割高・割安の時間がある
オール電化の電気代は電力会社の設定によってさまざまですが、時間によって料金設定を変えているところが多いです。そしてその基本は、ずばり「昼より夜間の電気代が安い」です。 例えばTEPCO(東京電力エナジーパートナー)であれば、オール電化世帯向けに「夜得プラン」という料金システムを設定しています。これは、午前9時~午後9時の間は33円76銭/1kWh、午後9時~翌午前9時までは22円55銭/1kWhになるというものです。(1) エコキュートなどが夜間に稼働しているように、オール電化世帯は夜の間に炊飯器や洗濯機・乾燥機をタイマーでセットしておくと、電気代がお得になります。

オール電化の電気代のメリット・デメリット

メリット
・光熱費が一元化できる ガスの基本料金が不要になったり、暖房器具を変えた場合は灯油代が不要になったりと、これまで電気とガスで分かれていたものが電気に一本化されるため、家計の管理がしやすくなります。また、機器のタイマー設定などを適切に行えば、ガスや灯油を併用していたときより合計金額が安くなることもあるでしょう。 ・夜間の電気使用量が安い 一人暮らしや共働きなどで日中は電気をあまり使用しない世帯の場合、オール電化向けの料金プランは生活リズムと一致しているといえます。 ・太陽光発電システム併設の場合、日中に発電した電気をを利用できる・買い取ってもらえる オール電化導入の際に太陽光発電の設備も設置した場合、昼間に使用する電気を太陽光発電でまかなうこともできます。また、あまり昼間に電気を利用しなかったときは、電力会社に電気を買い取ってもらうことも可能です。
デメリット
・昼間に電気をよく使う場合、割高になる可能性がある 前述の通り、オール電化の電気料金は夜に安く、昼に高めに設定される傾向があります。よって、日中在宅して電気をよく使用するライフスタイルの場合は、かえって電気代が上がる場合があります。 ・機器の設置費用、調理器具の買い替え費用が発生する オール電化住宅には必須と言ってもよいエコキュートの本体費用、設置費用。メーカーにもよりますが、工事も含めて百万円単位の費用が必要になります。また、IHクッキングヒーターは対応器具が限られていますので、所持していない場合は買い替えが必要になるなど、初期費用がかかります。

オール電化の電気代の平均はいくら?

データから見る1ヶ月のオール電化の電気代

さて、ここでオール電化の電気代の平均を見ていきましょう。 オール電化を導入している家庭の電気代の平均値をそのままズバリ挙げている統計は見当たりません。ですが、オール電化世帯と非オール電化世帯に分け、1世帯当たりのエネルギー消費原単位の平均値を掲載している資源エネルギー庁委託調査『平成23年度エネルギー消費状況調査(民生部門エネルギー消費実態調査)』の52ページを参考に平均値を見ることができます。 すると、月次の電力使用量は以下の通りでした。
戸建ての場合
・オール電化世帯が13187kWh ・非オール電化世帯が12758kWh
マンションなどの集合住宅の場合
・オール電化世帯が7847kWh ・非オール電化世帯が7593kWh(2) この調査報告書では、エネルギー消費原単位の内訳が暖房、冷房、給湯、厨房、電灯、動力他の項目で表示されており、オール電化世帯では動力の消費割合が多く、非オール電化世帯では給湯と暖房の消費割合が多いことが見て取れました。
実際にかかる電気代は?
新電力料金目安単価27円で計算すると、オール電化世帯の電気代の平均は1ヶ月あたり戸建てで約29,673円、集合住宅で15,657円となります。(3) この調査は世帯あたりの人数やライフスタイルを分別していませんが、これが現在オール電化世帯の電気代平均のひとつの目安になるといえます。

オール電化の電気代節約の秘訣は「分散」と「設備の使用方法」にある!

オール電化の節約のコツには「ピークシフト」は「ピークカット」。使用は夜をメインに

オール電化の節約のコツには「ピークシフト」と「ピークカット」という電気の使い方があります。 「ピークシフト」とは電力の需要が最大になる時間を、余力のある時間(夜間)にずらすことです。ご存知のとおり電気は“つくりおき”ができないため、エコキュートの稼働や、家電のバッテリーの充電を夜間にしておき、電力の需要の高い日中に使う電気を抑えることです。 もうひとつの「ピークカット」とは、電気の使用そのものを抑えることをいいます。具体的には太陽光発電等の再生可能エネルギーを導入したり、電力使用効率の高い家電やLED電球を使用するなどです。

オール電化の設備の節約方法

オール電化独自の設備は、設定を変えたり、使い方を工夫することで使用電力を抑えることができます。ここでは代表的な設備の節約方法をご紹介します。
IHクッキングヒーターの節電方法
・熱効率の高い調理器具を使用する IHクッキングヒーター専用の鍋でも、熱効率の高いものと低いものがあります。熱効率が高ければ電気を使用する時間が減りますので、電気代の節約になります。また、調理の際は料理の量にあった適切なサイズの鍋を使うことで、大きい鍋を暖めすぎるなどの無駄を防ぐこともできます。 ・鍋底とIHクッキングヒーターの表面をきれいに保つ 鍋とIHクッキングヒーターが接する面に汚れがあると、熱が伝わりにくくなって余計な電力を使ってしまいます。調理の前にサッとひと拭きしておきましょう。 ・保温機能、タイマー機能、電子レンジの併用 電気機器であるIHクッキングヒーターには、料理を効率よくこなすための便利な機能が備わっています。例えばタイマー機能を使えば、煮物を煮過ぎるということもありません。毎日使っているうちに、我が家のIH効率活用術を身につけていくとよいでしょう。
エコキュートの節電方法
・季節、ライフスタイルに合わせた設定をする メーカーによりますが、エコキュートの運転にはいくつかのモードがあります。基本は「おまかせ」を選んでおくと、その家庭に必要な湯量を学習して、エコキュートそのものがより効率的な運用を自動で行うようになります。しかし、旅行で不在にする、暑くなってきたので湯量を減らしたいなどの変化があった場合は、手動で設定を変更すれば、学習までのコストを減らすことができます。 ・「追いだき」より「高温たし湯」を使う お風呂のお湯の温度を上げたいときは、追いだきではなく高温たし湯を使いましょう。その理由は、追いだきはぬるくなったお湯を再循環させて“あたため直す”のに対し、高温たし湯の場合は、エコキュート内の熱いお湯を“そのまま足す”ため、あたため直す電気代がかからないためです。 ・ヒートポンプの周りに物を置かない 周囲の空気を取り込むことで熱を発生させるのがヒートポンプの仕組みのため、空気の取り込みを阻害されると発熱の効率が悪くなってしまいます。ヒートポンプの周りは常にすっきりさせておきましょう。
暖房(床暖房、エアコン、蓄熱暖房機)の節電方法
・床暖房は夜間のうちに起動させ、あとはつけっぱなしに 床暖房は、電源を入れてから設定温度に上がるまでに一番電気をつかいます。そのため、電気代の安い時間帯にフルパワーになるようタイマーをセットし、あとはつけたままにしておくほうが、こまめにオン・オフするより節約になります。 ・エアコンも基本はつけっぱなし。風量や風向きで調整を 床暖房同様、エアコンも起動時に電力を一番使います。温度の調整はオン・オフよりも温度設定を使うほうが節電になります。また、温かい空気は上に溜まりがちなので、風向きは下にするのがおすすめです。 ・蓄熱暖房機は追いだきを避け、不要なときはファンを止める 蓄熱暖房機は、仕組みの項目で説明したとおり、熱を機器内に貯め、ファンでその熱を放出することで部屋を温めます。つまり、熱が足りなくなって追いだきをするとその分電気代がかかるので、使用しながら適切な蓄熱量を見極めるようにしましょう。また、家を空けるときは電源だけでなくファンを止めることで、余計な熱の放出を防ぐことができます。

オール電化の電気代は、設備の理解でコントロールできる

オール電化の家で暮らすイメージや価格感、節約の方法のイメージはできたでしょうか。オール電化住宅には様々な設備が備わっており、その特徴を上手く活かすことで電気代をコントロールすることができます。ちょっとした工夫でオール電化の電気代を節約できたら、家計にも環境にもやさしい生活ができますね。 (参照元) こちらは以下を参照しています。 (1)東京電力エナジーパートナー「夜トクプラン」 http://www.tepco.co.jp/jiyuuka/service/plan/yorutoku/index-j.html (2)平成23年度エネルギー消費状況調査 (民生部門エネルギー消費実態調査) http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2012fy/E002203.pdf (3) 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 「電力料金の目安単価」の改定に関する件 https://www.eftc.or.jp/qa/qa_pdf.pdf ※こちらは平成26年4月28日時点の単価です。
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