電気代・電気料金2016/10/14

換気扇の電気代節約は意味がない!?数円のために発生する思わぬリスク

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部屋の臭いが気になる、カビの発生を防ぎたい…。そう思ってはいても、電気代が上がるのを心配して換気扇をコマメに消している、という方も多いことでしょう。

そこで今回は、“換気扇を1日中回したままにすることによって、電気代がどれくらい上がるのか”を解説。キッチン、浴室、トイレ、それぞれの換気扇を24時間つけっぱなしにした場合の電気代をシミュレートするほか、換気扇を切ることによってどのようなリスクがあるのか、さらに24時間換気システムとの違いについても説明します。

雨が多かったり、エアコンを使ったりする季節には、窓を空けて空気を入れ換える機会が減り、換気扇だのみの状況が増えてしまうもの。そんななか換気扇にかかる電気代とその役割の重要性を把握して、かしこく快適な暮らしを送りたいですよね。

目次

1)換気扇つけっぱなしの電気代。キッチン・浴室・トイレ、それぞれ月いくら?
2)実は怖い、換気扇を切ることによる4つのリスク
3)「24時間換気システムがあるから、換気扇は切っても良い」の勘違い
4)まとめ
5)おまけ:換気扇の電気代の節約を考える前に

換気扇つけっぱなしの電気代。キッチン・浴室・トイレ、それぞれ月いくら?

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「換気扇を1日中つけっぱなしの状態にしていると、電気代がグンと高くなったりするんでしょ?…」などと心配をしている方、実はそれ、杞憂なんです。換気扇の消費電力量は、もちろんその種類や機種によっても異なりますが、例えばエアコンや照明器具などといった電力消費量の多い家電と比べると、格段に低い値となります。

キッチンの換気扇、つけっぱなし電気代は─“~約560円/月”

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では、実際に換気扇の消費電力量と電気代を見ていきましょう。まずは、なかでもエネルギー消費量が多いとされているキッチンの換気扇から。

換気扇のファンには、空気を直接外へ排出するプロペラタイプと、空気がダクトを通って出入りするシロッコタイプ、主に2種類があります。キッチンコンロの上に設置された換気扇はレンジフードファンと呼ばれていて、調理の際に発生する臭いや油、煙を吸い込みます。

今回はマンションや戸建てにも多く用いられる、シロッコタイプのレンジフードファンで電気代を算出。シロッコタイプのものは消費電力が30~50W程度とされ、仮に弱の設定で24時間回し続けた場合、1ヶ月の電気代は、次のようになりました。

台所の換気扇 つけっぱなし電気代 シミュレーション

1ヶ月あたりの消費電力量
30W ✕ 24時間 ✕ 30日(1ヶ月)=21.6kWh
1ヶ月あたりの電気代
21.6kWh ✕ 25.91円(東電 第2段階料金)=約560円

レンジフードファンを回しっぱなしにしていても、新たにプラスされる電気代は月額で約559円という計算結果に。なお、国内メーカーのエコタイプモデルには、消費電力が5Wほどに抑えられた製品を見られます。その場合、ひと月あたりの電気代は93円程度と、100円を切る低コストになります。

エアコンとの併用時には、風量を抑えるべし!

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また、キッチンの換気扇は大抵、台所や浴室のものと比べて風量も多い仕様になっています。そのため、エアコンとの併用には注意が必要です。エアコンをつけたまま高い風量設定で換気扇を回してしまうと、エアコンの効きを著しく妨げて、電気代を跳ね上げてしまう可能性があります。エアコンをつけながら台所に立つ時には、換気扇の風量設定をなるべく下げるように気をつけましょう。

浴室の換気扇、つけっぱなし電気代は─“約187円/月”

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次にチェックしたいのが、カビの防止には欠かせないお風呂の換気扇です。特に、浴室に窓がない場合には、換気扇を常時つけたままにしているというご家庭が、大半を占めているはず。

お風呂の換気扇は、浴室のすぐ横が家の外になっているという配置の場合にはプロペラタイプを、浴室が建物の中心のほうにレイアウトされているという場合には、シロッコタイプを設置するのが一般的です。今回は、レンジフードファンと同じくシロッコタイプで算出。同タイプの浴室換気扇には消費電力が10w前後のものが多く見られ、24時間回し続けたと仮定すると、電気代は次のようになりました。

<浴室の換気扇 つけっぱなし電気代 シミュレーション>

1ヶ月あたりの消費電力量
10W ✕ 24時間 ✕ 30日(1ヶ月)=7.2kWh
1ヶ月あたりの電気代
7.2kWh ✕ 25.91円(東電 第2段階料金)=約187円

お風呂の換気扇を1日中回し続けたとしても、月額約187円の電気代が加算されるだけだということが判明。最近では、常時弱設定での運転時には消費電力が0.9Wと、1Wを切る天井埋め込み型のものもあり、その場合、月額わずか約17円しか電気代がかからないことになります。お風呂のカビ取り洗剤の値段より、ずっと安価だということが分かります。

トイレの換気扇、つけっぱなし電気代は─たった“約37円/月”

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そして、もっとも安くあがるのが、トイレに設置されている換気扇の電気代です。トイレには、壁や天井に埋め込んだパイプへ差し込み使用するタイプのパイプ用ファンと、浴室などにも使われるダクト用換気扇のどちらかを設置するのが一般的です。 今回はパイプ用ファンで電気代を算出。トイレ用換気扇に多く見られる、消費電力2~3Wの製品を24時間回し続けたとすると、次のような1ヶ月分の電気代が弾き出されました。

<トイレの換気扇 つけっぱなし電気代 シミュレーション>

1ヶ月あたりの消費電力量
2W ✕ 24時間 ✕ 30日(1ヶ月)=1.44kWh
1ヶ月あたりの電気代
7.2kWh ✕ 25.91円(東電 第2段階料金)=約37円

トイレの換気扇を1日中回し続けたとしても、かかる電気代は月額たった約37円だということが明らかに。もちろん消臭剤を購入するより、ずいぶんお得です。トイレの換気扇には、使用後の臭いを排出する役割も求められます。トイレの臭いを除去する機能を持った換気扇も複数発売されていますので、気になる方はチェックしてみてください。

実は怖い、換気扇を切ることによる4つのリスク

シミュレーションで見てきたように、つねに換気扇をオンにしている状態でも、その電気代は安いもの。キッチン、浴室、トイレの換気扇をすべて24時間つけっぱなしにしていても、1ヶ月にかかる電気代の合計は数百円レベルです。

しかし、なかにはそのコストでさえも切り詰めたいと思われる方もいらっしゃることでしょう。そこで知っていただきたいのが、換気扇を止めることで生まれる複数のリスクです。

リスク1 . 嫌な臭いが室内にこもってしまう

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よその家を訪れたり、1日家を空けて帰宅した時など、「何となく家の中が臭い」と感じてしまうことはありませんか。そのおもな原因は、カビやバクテリアが餌とする有機物を分解するときに出る臭気だとされ、トイレ、台所、浴室が、住まいの嫌な臭いの3大発生源だと言われています。

例えばトイレの場合、尿や便の成分が残りやすい便器や床に加え、壁なども臭いの発生ポイントになります。また、台所の場合には、生ごみをはじめ食品残りや油で汚れがちな排水口、シンク。さらに浴室では、髪の毛や皮脂、石鹸成分などが溜まりがちな排水口まわりに加え、カビが繁殖しやすい床や壁、棚なども臭いの発生源です。

換気扇をストップしてしまうと、そうした場所に臭いがこもってしまうほか、さまざまな臭気が混ざり合い、家中に複雑な悪臭が蔓延してしまうなんていうことも。そうなると、いくら高級な家に住んでいても、部屋のインテリアをお洒落に決めていても、すべてが台無しになってしまいます。ですから、換気扇のスイッチはつねにオンにして、部屋の空気をフレッシュに保つことが大切です。

リスク2 . 結露で住宅が傷んでしまう

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また、換気不足で空気の流れが滞ってしまうと、タバコの煙が室内に広がってクロスが黄ばんでしまったり、外気温が下がる秋冬の季節を中心に、家のなかに結露が発生しやすくなるという事態が考えられます。

特に、結露が住宅に及ぼす影響は深刻です。結露は、室内では窓ガラスやアルミサッシの内側、壁などに起こりやすく、放置するとカビが生えたり、建物に使われている木材の水分を増やして、最悪の場合には腐らせてしまうことも。

さらに、壁に沿って電源ケーブルやネット用通信ケーブルが設置されていることがあり、それらのカバーが破損した部分などから結露の水滴が入り込んでしまうと、漏電や火災につながってしまう危険も。換気扇を止めてしまうことで、住宅に大きなダメージを与えてしまう可能性が考えられます。

リスク3. カビが増殖し、健康に悪影響を及ぼす

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さらに、換気不足で生えてくるカビは、人間の健康をもおびやかします。カビは湿度75~100%、温度が36%以上で増殖するといわれ、家のなかでも湿気や熱気がこもりやすい浴室は、カビにとって格好の生息場所だと言えます。

人はカビの胞子を吸い込むことで、場合によっては深刻なアレルギーを引き起こすことも考えられます。カビはタイルの目地やシリコン部分など、さまざまな場所に生えてきますが、特に天井にはなるべくカビを生やさないように注意してください。

天井のカビは上から下に向かって生えてくるため、入浴者はその胞子を吸い込ことになり、頭痛や咳などといったアレルギー症状に見舞われることがあるのだそう。浴室ではつねに換気扇を回し、カビの防止に努めるようにしましょう。

リスク4 . シックハウス症候群を引き起こす可能性がある

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シックハウス症候群とは、住宅の建材や家具などに用いられている化学物質が空気を汚し、そこで暮らす人々の健康に害を与える病気のこと。

例えば、住宅の内装や家具などに使われている接着剤からはホルムアルデヒト、床下に使われている有機リン系のシロアリ駆除剤からはクロルピリホスなど、人体に有害な物質が空気中に拡散され、目やのどの痛み、頭痛、めまい、吐き気といった症状を引き起こします。

換気を止めてしまうと、室内の空気が滞留して、室内にいる人はそうした有害物質に汚染された空気を吸い続けることに。シックハウス症候群を予防するためにも、リビングとつながっていることが多いキッチンなどの換気扇は回し続けて、居室の空気循環を促すようにしましょう。

「24時間換気システムがあるから、換気扇は切っても良い」の勘違い

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よく聞こえてくる声に、「うちでは24時間換気(常時換気)システムが稼働しているから、いつもキッチンや浴室、トイレなどの換気扇を回しておく(局所換気)必要がないのでは?」というものがあります。

24時間換気システムとは、ファンなどの機械を使って2時間に1度の割合で、強制的に住宅全体の空気が入れ換わるようにする換気設備のこと。近年、住宅の高気密化が進むに従って、シックハウス症候群の増加が問題となったことから、2003年7月以降に着工の新築・確認申請が必要な増改築物件については、すべてにおいて設置が義務付けられました。

しかし、同システムはあくまでシックハウス症候群の予防をおもな目的としているもので、臭いや湿気などの主な対策にはなりません。キッチンや浴室、トイレなどといった場所では別途、換気扇を回していないと、空気の循環が不十分になってしまう場合が多く見られます。

もちろん、住宅のなかにいる人数やそうした人々のライフスタイルによって、空気の汚染物質やレベルは変わってきます。しかし、例えば料理で発生する油煙や湿気などの調理排気、タバコの煙などは、レンジフードファンを回さないとキッチンやそれにつながるリビングなどにこもったままとなり、空気を汚す原因になります。

また、湿気の多い浴室やトイレなどの密閉空間では、24時間換気システムの働きだけでは空気の入れ換えが不十分になってしまう可能性があります。そのため、24時間換気システムを稼働させながら、併せてキッチンや浴室、トイレなどでの局所換気もつねに行っていくことが求められているのです。

まとめ

以上、キッチンと浴室、トイレでは、換気扇を24時間ずっと回し続ける必要があるということ。そして、電気代が惜しいからといって換気扇を止めてしまうと、臭いがこもるだけでなく、結露やカビが発生したり、建材などに用いられている化学物質が空気を汚して、人間の健康や住宅にダメージを与えるリスクがあるということをお伝えしました。

先に述べた通り、キッチンや浴室、トイレで換気扇を一日中使い続けたとしても、その電気代はひと月数百円レベル。例えば浴室で小まめに換気扇を切り、その分そうじを行った場合に使う洗剤の料金やそうじにかける労力、換気不足が原因でアレルギーやシックハウス症候群になってしまい、通院した場合の治療費や交通費に比べると、低コストだと言えるでしょう。

“換気扇は24時間つけっぱなし”、それが体も家も健やかに保つ基本です。

おまけ:換気扇の電気代の節約を考える前に

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換気扇の電気代を節約するよりもプランを変更するだけで大幅に電気代を節約できる可能性があります。

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参照元:
・住宅に結露は大敵。健康面でもマイナスが。ほんとはコワイ結露
http://suumo.jp/journal/2013/01/15/36348/
・Panasonic 換気と空気環境Q&A
http://suumo.jp/journal/2013/01/15/36348/
・FOOCOM.NET 調理と化学物質、ナゾに迫る
http://www.foocom.net/column/gas/6309/

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